2014年10月15日
2. 出発 〜屋久島一人旅 2014〜
10月1日、出発当日の朝。
いつもと同じ朝。いつもと同じ様にトーストを焼いて食べる。
昨日まで抱えていた一人旅への不安は深い眠りから目覚めるとスッキリと消えて無くなっていた。
家族は「気を付けてね〜」と、まるで僕が近くのコンビニへ買い物に行くかの様な、軽い見送りの言葉をくれただけだった。
いつものように仕事をこなし、18時には仕事を終えて18時半には那覇空港へと向かう予定。
しかし終業間際、まさかの業務依頼で残業が確定。
仕事を残して落ち着かない気持ちで旅行へ行っても楽しめないだろうと考え、集中して黙々とこなす。
人間やればできるもんである。
いつもの半分くらいの時間でサクッと業務終了、しかしすでに飛行機が離陸する1時間前!!
僕の事を見かねた会社の人が送ってくれると言う事で急いでザックを持ち、車に乗り込み空港へ。
比較的スムーズに流れる夕暮れ時の幹線道路、赤信号で停止するたびにもどかしくて強く瞼を閉じる。
出発40分前に空港へ到着。送ってくれた人に礼を言い、カウンターへ足早に向かう。
平日の夜の那覇空港出発ロビーはサラリーマンや見送りの人がまばらにいるだけで、それほどの混雑はなかった。もちろん、大きなザックを担いでウロウロしている旅行者は僕一人ぐらいだった。
急いで搭乗手続きを済ませ、荷物を預ける。
大きなザックを下ろすと身体が以前よりも軽く感じる。両手を挙げて大きな伸びを一つ。
受付カウンターの計量器を見るとザックの重量は「12.4kg」を示している。予定通りの重量だ。
足早に保安検査場を通り抜け搭乗口へ向かうと出発の約25分前。

ここまで来れば大丈夫、と一安心。張り詰めていた気が抜けるとお腹が空いている自分に気付く。搭乗口近くのショップへ駆け込み食べる物を探すも、ほぼ売り切れ状態。
陳列棚を見て呆然としていると、近くに居た陽気なオバちゃんが「こんなに食べれないわ。良かったらどうぞ〜」と精算前のおにぎりを2つ分けてくれた。
笑顔でお礼を言い、そのおにぎりとお茶を買い、飛行機へ乗り込んだ。
150名は乗れるであろう座席数に対して搭乗客は約40名程度。ほぼ全員が前方・窓側に座り、僕もその集団の後方窓側へと席を変更してもらい、席に着いた。
ひどく疲れている。
これからが旅の始まりだと言うのに、離陸するなりすぐに寝入ってしまったようだった。
大きく身体が揺れて目が覚めると、タイミング良く機内アナウンスが流れる。
「鹿児島空港へ着陸しました…」
20時55分、鹿児島空港へ到着。
少し寝てスッキリした気分で飛行機をゆっくりと降りる。

『Welcome to Kagoshima』の文字を見て鹿児島に歓迎されている、と思い込む。笑
相変わらずのプラス思考は僕を良い方向へと導いてくれる。
手荷物受取所でザックを受け取り、気合を入れて背負う。
慣れない重さで足がふらつく。
この荷物を背負って、本当に縦走できるんだろうか。

今日の旅はもう少しで終了、と自分に言い聞かせ、空港から徒歩7分ぐらいの『鹿児島空港ホテル』へ歩みを進める。
沖縄に比べて、鹿児島は少し肌寒い。
雨でも降ったのか、湿度が高く、少し靄がかかっている様な視界だった。
21時15分、鹿児島空港ホテルへ到着。
チェックインを済ませ、部屋に入る。
当たり障りの無い無難なホテル、といったところか。
しかし空港へのアクセスは抜群に良い。またこのホテルを利用する事もあるかもしれない。

窓から見える夜の空港を眺めながら、離陸前に買ったおにぎりを頬張る。
お腹が少し満たされたところで、無事にホテルへ着いた事を家族へ電話報告。
一段落したところでホテル内に23時まで使用できる大浴場があるとの事でさっそく湯船に癒される事にした。
脱衣所に置かれた服を見る限り、大浴場は僕を含めて3人の利用者がいたが、奥のサウナ室に擦りガラス越しに人影が見えるだけで、誰一人として声も聞こえないし、結露や湯気で顔もよく見えない。本当にそこに人が存在しているのかさえも自信がなくなってきた。
ひょっとして今、僕は飛行機で寝たままで、まだ夢を見続けているんじゃないか、とバカみたいな不安に駆られる。
念入りに脚をもみ洗いして流し、湯船に浸かる。最高のひとときだ。今ここにキンキンに冷えたビールでもあれば何も言う事はないんだけれども。
僕が後から入って一番先に浴場を出る。
誰とも話す事無く、また部屋へ戻る。
寝る前の一杯のビールを自動販売機で買ってから部屋でまったり。
ザックの重量バランスが少し気になって、中身の整理をしようと部屋中に持ち物を「広げては詰める」を二度ほど繰り返して準備完了!!
今日一日を振り返って、色々な人に助けてもらったりしながら鹿児島へ辿り着いた事に感謝する。
空港へと送って貰えなかったら、飛行機に間に合わなかったかもしれない。
あのおにぎりを譲って貰えなかったら、今夜は空腹のまま寝る事になったかもしれない。
そんな一つ一つの出来事に感謝しながら、明日に備えて0時に就寝。
ついに明日は屋久島へ上陸だ。
楽しみ!!
~ 続く ~





いつもと同じ朝。いつもと同じ様にトーストを焼いて食べる。
昨日まで抱えていた一人旅への不安は深い眠りから目覚めるとスッキリと消えて無くなっていた。
家族は「気を付けてね〜」と、まるで僕が近くのコンビニへ買い物に行くかの様な、軽い見送りの言葉をくれただけだった。
いつものように仕事をこなし、18時には仕事を終えて18時半には那覇空港へと向かう予定。
しかし終業間際、まさかの業務依頼で残業が確定。
仕事を残して落ち着かない気持ちで旅行へ行っても楽しめないだろうと考え、集中して黙々とこなす。
人間やればできるもんである。
いつもの半分くらいの時間でサクッと業務終了、しかしすでに飛行機が離陸する1時間前!!
僕の事を見かねた会社の人が送ってくれると言う事で急いでザックを持ち、車に乗り込み空港へ。
比較的スムーズに流れる夕暮れ時の幹線道路、赤信号で停止するたびにもどかしくて強く瞼を閉じる。
出発40分前に空港へ到着。送ってくれた人に礼を言い、カウンターへ足早に向かう。
平日の夜の那覇空港出発ロビーはサラリーマンや見送りの人がまばらにいるだけで、それほどの混雑はなかった。もちろん、大きなザックを担いでウロウロしている旅行者は僕一人ぐらいだった。
急いで搭乗手続きを済ませ、荷物を預ける。
大きなザックを下ろすと身体が以前よりも軽く感じる。両手を挙げて大きな伸びを一つ。
受付カウンターの計量器を見るとザックの重量は「12.4kg」を示している。予定通りの重量だ。
足早に保安検査場を通り抜け搭乗口へ向かうと出発の約25分前。
ここまで来れば大丈夫、と一安心。張り詰めていた気が抜けるとお腹が空いている自分に気付く。搭乗口近くのショップへ駆け込み食べる物を探すも、ほぼ売り切れ状態。
陳列棚を見て呆然としていると、近くに居た陽気なオバちゃんが「こんなに食べれないわ。良かったらどうぞ〜」と精算前のおにぎりを2つ分けてくれた。
笑顔でお礼を言い、そのおにぎりとお茶を買い、飛行機へ乗り込んだ。
150名は乗れるであろう座席数に対して搭乗客は約40名程度。ほぼ全員が前方・窓側に座り、僕もその集団の後方窓側へと席を変更してもらい、席に着いた。
ひどく疲れている。
これからが旅の始まりだと言うのに、離陸するなりすぐに寝入ってしまったようだった。
大きく身体が揺れて目が覚めると、タイミング良く機内アナウンスが流れる。
「鹿児島空港へ着陸しました…」
20時55分、鹿児島空港へ到着。
少し寝てスッキリした気分で飛行機をゆっくりと降りる。
『Welcome to Kagoshima』の文字を見て鹿児島に歓迎されている、と思い込む。笑
相変わらずのプラス思考は僕を良い方向へと導いてくれる。
手荷物受取所でザックを受け取り、気合を入れて背負う。
慣れない重さで足がふらつく。
この荷物を背負って、本当に縦走できるんだろうか。
今日の旅はもう少しで終了、と自分に言い聞かせ、空港から徒歩7分ぐらいの『鹿児島空港ホテル』へ歩みを進める。
沖縄に比べて、鹿児島は少し肌寒い。
雨でも降ったのか、湿度が高く、少し靄がかかっている様な視界だった。
21時15分、鹿児島空港ホテルへ到着。
チェックインを済ませ、部屋に入る。
当たり障りの無い無難なホテル、といったところか。
しかし空港へのアクセスは抜群に良い。またこのホテルを利用する事もあるかもしれない。
窓から見える夜の空港を眺めながら、離陸前に買ったおにぎりを頬張る。
お腹が少し満たされたところで、無事にホテルへ着いた事を家族へ電話報告。
一段落したところでホテル内に23時まで使用できる大浴場があるとの事でさっそく湯船に癒される事にした。
脱衣所に置かれた服を見る限り、大浴場は僕を含めて3人の利用者がいたが、奥のサウナ室に擦りガラス越しに人影が見えるだけで、誰一人として声も聞こえないし、結露や湯気で顔もよく見えない。本当にそこに人が存在しているのかさえも自信がなくなってきた。
ひょっとして今、僕は飛行機で寝たままで、まだ夢を見続けているんじゃないか、とバカみたいな不安に駆られる。
念入りに脚をもみ洗いして流し、湯船に浸かる。最高のひとときだ。今ここにキンキンに冷えたビールでもあれば何も言う事はないんだけれども。
僕が後から入って一番先に浴場を出る。
誰とも話す事無く、また部屋へ戻る。
寝る前の一杯のビールを自動販売機で買ってから部屋でまったり。
ザックの重量バランスが少し気になって、中身の整理をしようと部屋中に持ち物を「広げては詰める」を二度ほど繰り返して準備完了!!
今日一日を振り返って、色々な人に助けてもらったりしながら鹿児島へ辿り着いた事に感謝する。
空港へと送って貰えなかったら、飛行機に間に合わなかったかもしれない。
あのおにぎりを譲って貰えなかったら、今夜は空腹のまま寝る事になったかもしれない。
そんな一つ一つの出来事に感謝しながら、明日に備えて0時に就寝。
ついに明日は屋久島へ上陸だ。
楽しみ!!
~ 続く ~





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