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2014年10月27日

5. 山姫伝説 〜屋久島一人旅 2014〜

10月3日、宮之浦岳へ。

屋久島に昔から伝わる民話に「山姫」と言う話があるらしい。

屋久島の森の奥深くにいる美しい女性のお話。

綺麗な長い髪と美しい容姿から木の精霊とも呼ばれ、年に数回決まった時期に山へと降り立つ。この女性の事を人々は「山姫」と呼んでいる。山姫は裸で現れたり、十二単を着ていたりと様々で、山で出会った時に笑いかけられて、笑い返すと命を奪われ山を降りれなくなる、という怖〜いお話。

実際に山奥で綺麗な女性に笑いかけられたとして、普通の男性なら笑い返すだろ!(きっと)

なんて事を僕は温かなシュラフに包まれて夢見心地で考えていた。

ここへ来る前に屋久島の事を色々調べていた時に偶然知ったこの話を、まさにこの山奥でふと思い出したのだ。

屋久島での初めてのテント泊は気が高ぶっていたせいか、1〜2時間おきに目が覚めて熟睡出来なかった。早朝4時頃には周囲の誰かの朝食を作り始める音や出発の準備をする音でますます目が冴えてきた。

枕元に置いた腕時計の温度表示を見ると20.2℃。

ゴソゴソとテントから這い出してみると、辺りはまだ真っ暗。空を見上げると満天の無数の星が僕に向かって落ちて来るかの様に瞬いていた。僕の手持ちのカメラではその様子を写真に収められないのがすごく残念。。次回の課題としよう。

テントへ戻り、朝食の準備。
今回、縦走中の食事は重量の制限から「アルファ米」と「インスタント味噌汁」と決めていた。同じメニューが続くと飽きが来てダメだと言う人がいるが、僕は結構大丈夫な方だと思う。1週間3食カレーライスでも全然平気。

アルファ米に熱湯を入れて15分待つ。そして5分で完食ペロリ。

僕の場合は味わうも何も、お腹が満たされればそれで良いのかもしれない(笑)
昼食は宮之浦岳の頂上付近で食べたいと考えているので、その時はゆっくりと景色を眺めながら食事を味わいたい。

そうこうしているうちに周りのテント族は撤収完了、続々と暗い山道へと消えていく。まるで山が大きく口を開け、そこから立ち込める薄暗い霧の中へと次々に人々が飲み込まれていく様な不思議な錯覚を覚える。

気が付けば5時。
僕も食事を終えるとテントを畳み、ザックの整理をして水場でナルゲンボトルに水を補給。そして5時30分、ヘッドライトの明かりだけを頼りに淀川小屋を後にする。

空は暗く、いつの間にか星も見えなくなっている。ヘッドライトの明かりがこんなにも心細いとは思いもしなかった。

昼間の半分くらいのペースでゆっくりと目印のリボンを探しながら前へ進む。樹木の根に足をとられそうになり、暗がりから目の前に枝が現れてよろめいたりと闇の森の危険性を再認識させられた。



ゆっくりと東の空が青白く色を変え、真黒な風景から森の木々や岩達の輪郭が1つずつハッキリと切り取られていくように姿を現した。それから数分も経たないうちにのっぺりと平坦だった風景は次第に奥行きを持ち、深緑や茶褐色や薄灰色に鮮やかに色付けられていった。

周囲が明るくなり、無意識のうちに歩くペースが早くなる。息が切れ始め、鼓動が激しくなる。無理は禁物、と立ち止まる。前後に人影も無く、しんと静まり返って静寂に包まれた。


樹木の根が荒々しく露出し、登山者の行く手を邪魔するかの様にも見える。
これ以上進んではいけない、と伝えようとしているのかもしれない。


目の前が急に開けたと思ったら遠くの山頂に奇妙な形をした巨大な岩の塊が見えた。高盤岳のトーフ岩と言われるものらしい。もっと間近で見てみたい…が、あの奇石へと続くルートが見つからない…。
次回こそは!

静寂を引き裂くかの様に、突然背後でうめく様な鳴き声がした。


ヤクシカだ!
想像していたよりも小柄でずんぐりとしている。首を傾げてこちらの様子を伺っている様にも思える。


小屋から2km程歩いたところにある展望台。絶景を眺めながらひと休み。

非日常的な風景を前に、言葉に表しようのない想いが溢れてくる。
感動。


起伏の少ない道を進むと…


小花之江河へ到着。この辺りは日本最南の高層湿原らしい。


確かこの辺りに美味しい水場があると聞いたんだが、、見当たらない。。
少し前方で赤いザックの青年がカメラを構えていた。湿原の奥にヤクザルを見かけ、僕もカメラを向けるが動きの素早さに間に合わず。


黒味岳分岐で、ザックをデポ。重いザックからの開放感からか、身体がすごく軽く感じる。

ストックと水、そしてカメラだけを持って、赤いザックの青年と黒味岳へ向かう。
往復約1時間の道のり。


こ、これはいったい。。(笑)
ロープでよじ登るとは聞いてなかった。確かにザックを置いてきて正解だった。
こんな登りが3か所ぐらいある。


僕のペースが速過ぎたのか、振り返ると赤いザックの青年が遠くに小さく見えた。


巨大な奇石がここにも。石でできたロボットが横たわっている様に見える。


この上が黒味岳の頂上か?
それにしてもこの巨大な岩がなぜここに存在するのか、不思議だ。。


黒味岳登頂!
(※トレランスタイルでごめんなさい。決して山をなめてるワケではございません。笑)


赤いザックの青年も到着&登頂。
後光が射している様でカッコ良過ぎるこの神々しい1枚。

頂上にいた羽虫の集団に襲われそうになり、二人して慌てて来た道を戻る事に。
荷物を置いた分岐まではあっという間だった。喉が渇いて、水をガブ飲み。


分岐から徒歩30分程度の次の水場で水を補給。
ここの水が今回一番美味しかった。ボトルに詰め、シェラカップでガブ飲み。
ほんの僅かに植物の匂いを感じる。


水場を過ぎてすぐのロープ登り。
登りの途中、右手に水の音が聞こえたのでルートを少し外れてみる。
行動食を頬張り、ここの水を飲んでみたりと一休み。

その間に二人組の女性がロープ道を一生懸命登ってあっという間に消えていなくなった。

適度に休めたので幾分スッキリとした。
ここからは少しペースを速めてどんどん進む。


振り返ると赤いザックの青年が小っさくなっちゃった!赤い点にしか見えない。


段々と天候が悪くなってきた。霧がかって遠くの景色が見えない。。


雨も降ってきたので、広い場所を探してレインウェアを着て、ザックにカバーをかける。その間に次々と登山者が現れ、追い越されまくる。


ここが宮之浦岳まで最後の水場。
この水場を逃すと、この先が大変なので注意…


ルートから少しだけ外れたトコにある携帯トイレ用の建物。


左側中央に見えるだろうか?不思議な奇石を発見。すっかり奇石の虜になっている僕がいる。


途中、何度も2人組の女性達を追い越し、追い越され、と繰り返してるうちに目の前に大きな岩が。やっと頂上か!と思いきや…


宮之浦岳では無く、その手前のくりお岳へ到着。この大きな岩に遮られて宮之浦岳が隠れていたのだ。休む事なく目の前の頂へと歩く。そして…


11時5分、宮之浦岳登頂!
ものすごい羽虫の集団に歓迎され、5分も居られずに反対側へと降りる。


頂上のすぐ真下が絶景ポイント。大きな岩の前に腰掛ける。

ここでザックを降ろし永田岳方面を眺めながら昼食タイム。クッカーやバーナーを出すのが面倒だったので、行動食を多めに食べる。お腹が満たされたら気持ちも落ち着いてきた。

雲がゆっくりと流れ、
風の音だけが聞こえる場所。

足音が聞こえ振り向くと、先程の2人組の女性のうち1人が僕に微笑みながら「こんにちは」と近づいてきた。「こんにちは」と僕も笑顔で会釈。

彼女は帽子を取り、サングラスを外す。透き通る様な色白の肌に切れ長の瞳、1つ結びにしていた長い髪が風に左右にユラユラと揺れていた。

すごく綺麗な女性だった。

僕は見惚れて、一瞬我を失ったかの様に彼女を見ていた。

彼女は僕の2m程手前で立ち止まり、岩の方を向きジャケットを脱ぎ始めたのだ。

知り合いでも無い、会った事も無い、、
展開がうまく飲み込めず、顔をそらすと、今朝、夢見心地に考えていた事をふと思い出した。


『山姫?!』


そう!


…いや、そんなはずは無く。


「パンッ、パンッ!!」と大きな音に振り返ると、岩の隙間に両手を合わせ祈る彼女の姿があった。

全く気付かなかったのだが、実は僕が食事をしていたすぐ真後ろの岩の間に祠があったのだ。僕の勘違いも甚だしい(笑)

それをきっかけに僕はしばらくの間彼女と会話をして笑い合った。

屋久島に毎年1度は登山に来ている事、近づいてくる台風の事、永田岳にも素敵な祠があるのよ、と彼女は笑った。

美しい山並みを背景に腰に手を当て、空を見上げる彼女の姿は何か雑誌の広告の様にも見えた。

彼女は日帰り登山との事でここでお別れ。「気を付けてね!」と彼女は来た道を戻って行った。

名前も知らない、初めて会った人とこんなにも笑って話し合えるなんて初めての経験だったかも。こういう出会いも山の魅力なのかもしれない、僕1人で来なければこんな出会いも無かったかもしれないと思った。

一人旅って良いな。

山って面白い。

もしかしたら山姫伝説ってのは、
美しい山の景色や山奥での出来事に魅せられた登山者が「命」では無く、心を奪われて、下山後も山に残してきた想いを語り継いだものなのかもしれない…

流れる雲を眺め、風の音を聞きながら
そんな事を考えていた。


〜 続く 〜


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Posted by - テツ - at 19:46Comments(0)雑記・日記

2014年10月23日

4. 入山 〜屋久島一人旅 2014〜

「縦走ですか?」と、声を掛けられた。

僕は寝起きでぼーっとしながらバスを降りてザックを背負い直しているところだったので、正直空耳かと思ったぐらいだ。声の聞こえた方へ振り返ると同じバスに乗っていたあの大人しそうな赤いザックの青年が立っていた。

先程見た時とは別人の様な人懐っこい笑顔に僕は眠気も吹き飛ぶくらいにビックリとさせられた。

「白谷雲水峡まで縦走の予定です。今日は淀川小屋まで。もしかして同じルートですか?」と逆に尋ねると、彼は「同じコースですね。途中、僕が滑落してたら助けて下さいね。あはは。」と笑顔でブラックジョークを残し、登山口とは反対方向の紀元杉へと歩いて行った。


紀元杉まではバス停から約100m。
樹齢3000年とも言われるこの杉は周囲の他の杉とは貫禄が違う。
本格的に山へ登る前からこんな杉を惜しみ無く見せてくれるなんて、屋久島恐るべしである。


どーん!!

この立派な杉、登山口とは正反対の方向にあるので、登山者はバスを降り、来た道を戻るように100m歩いて紀元杉へ向かい、紀元杉を観賞した後、またバス停方向へと歩き、そのまま登山口へと向かう事になる。いっその事、この紀元杉前をバス停にすれば往復200mも無駄に歩く事も無くなるんじゃないかと思ったりもするが、登山前の軽いウォーミングアップの為なのだと良い方へ考える。

今来た道を戻り、バス停方面へと向かう。

バス停を過ぎた辺りで先程のバスの運転手さんが下り線の時間待ちをしていた。
軽く会釈をすると「台風が近づいてるから無理は禁物ですよ」と優しく気遣ってくれた。


舗装路を歩き淀川登山口へ向かう。


少し先に赤いザックの青年の姿が見え隠れしている。同じくらいのペースなのだろう。


途中、沢を流れる水の音に癒されながら景色を眺め、歩みを止める。
深緑色の絨毯の様な苔が岩や斜面を美しく覆っている。


気が付けば淀川登山口へと到着。バス停からゆっくり歩いて30分程度かかった事になる。予定通りだ。周辺には自動車が何台か停められている。きっと日帰り登山者のものだろう。先に到着していた赤いザックの青年は手足を大きく伸ばし、準備運動をしてこれからの山道に備えている様に見えた。


登山口正面にトイレがあるので、山道へ入る前に済ませておく。その後、赤いザックの青年と少々雑談。

彼は福岡から来たらしく、屋久島縦走は二度目で単独縦走は初めてとの事。前回は無事に目的地へと辿り着く事ばかり考えてしまい、写真を撮るのを忘れてしまったので、今回は1人でゆっくりと歩きながら写真を撮り、景色を眺めたいとの事だった。

僕はその話を聞く寸前まで「良かったら一緒に歩きませんか?」と言う気満々だったのだが、残念ながら誘うのをやめた。
僕と一緒に歩く事で彼のペースを乱すのは悪い気がしたからだ。

お互い、一人で屋久島へ縦走する為に来ている。暗黙の了解と言うべきか、微妙な距離感を保たなければならない気がした。



登山口には登山道をイメージし易い様にイラストマップが貼られていた。
目的地の九州最高峰の宮之浦岳はもちろんの事、黒味岳、そして永田岳へも時間があれば登りたいと思っていた。


「それではお先に!」と赤いザックの青年は木製の階段を登り、あっという間に見えなくなっていった。

僕は5分程休憩して水分補給と行動食(ナルゲンボトルに入れた柿ピーと麦チョコ)を頬張り、意を決して山へ入る事にした。


ガイド本等で見た「ピンクのリボン」。正しいコースだと示す目印の様なもの。
これを頼りに進んでいく。整備されているのでとても歩きやすい。


「あと◯◯㎞」という標識を見ると、正しく目的地へと進んでいるんだな、と安心する。


幾つかの杉が合体したかの様な大きな杉。今にも歩き出しそうな感じ。


倒れて中が空洞になっている杉。
雨宿りできそう。


この日まで苔が綺麗だなんて思った事が無かった。水滴を含んでキラキラと輝いている。


突然現れた樹皮がツルツルの木。(ヒメシャラ?)森の緑の中で艶のある樹皮が目を引く。妖艶な感じが漂う。


木製のデッキが続く。これ作ってくれた人ってホント偉いと思う。感謝です。


少しペースが速いのか、汗が出てきたのでしばし休憩。周りの風景を眺めながら行動食を頬張る。


この看板から先が世界自然遺産との事。
見た目には違い全く分からないが、世界自然遺産地域の境目を通過する。


淀川小屋まであと少し。


手持ちの水の量が少ない。。喉が渇いてきた。。歩く、ひたすら歩く。


やっと到着!本日の宿、淀川小屋。


さっそく水場を探して水を補給。初めて飲む沢の水は冷えていて美味しかった。


すでにテントサイトはほぼ埋まっている。
高校生の集団がテントをど真ん中に張っていて、周囲にガイラインを張り巡らせてるので全然スペースが無い。。
しょうがなく、奥の方へテントを張ってみる。(白の三角テントが僕のクフ・タイベック)
枯れ枝や木の幹、根が多くて設営しては少し移動を繰り返し、テントの設営に1時間ぐらいかかった。。


落ち着いたところで、小屋の周囲を散策。


陽が傾いてきている。森の中は暗くなるのが早いのかもしれない。


急いで戻って夕食。そして楽しみにしていた焼酎「三岳(みたけ)」をちびちびと。すぐに日が暮れてそれぞれのテントから溢れる暖かな灯りと笑い声が薄暗い森の闇の中へ溶けて消えていった。


焼酎を呑んだせいか、トイレが近い。
場所によってはトイレが無い場所もあるので、利尿作用のあるお酒やコーヒーは控え目にした方が良いと分かった。


寝る前に地図を確認して、明日のコースタイムをイメージする。明日の朝は6時前には出発予定。周りのテントの高校生達が騒いでいたにも関わらず、疲れた身体を休める為、20時頃には就寝。

明日も晴れますように、と祈りながら…


〜 続く 〜

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Posted by - テツ - at 02:28Comments(0)キャンプ雑記・日記

2014年10月17日

3. 上陸 〜屋久島一人旅 2014〜

10月2日、いよいよ屋久島へ

他の誰よりも早く搭乗口前で待ち、朝一番の飛行機で屋久島へ向かう。

作業着姿の男性や登山スタイルの女性が目立つ。


いざ。プロペラ機へ乗り込む。


途中、桜島の噴火口を眼下に、なぜか両手を合わせたりしながら。笑



9時20分、屋久島空港へ到着。すごく天気が良い。『1週間に8日雨が降る』とか『1ヶ月に35日間も雨が降る』と言われるくらい雨が多い場所だと聞いていたので、こんな日に来れてすごく嬉しい。ラッキーだ。


手荷物は手渡しのようだ。
着陸後10分程でザックを受け取り出口へ向かう。


これを忘れちゃいかん。
空港出口横に設置されている登山届を記入して横の箱へ投函。


安房行きのバスを待つ。
約50分くらい待つかな。ここからバスに乗り、安房手前の合庁前から紀元杉行きのバスへ乗り換える予定。

その前にガスカートリッジ(CB缶)をどこかで購入しなければ、と考えていると突然背後から
「あんたも島に呼ばれてきたんだね」
と、顔をクシャクシャにした様な笑顔のお婆ちゃんに声を掛けられた。

少し驚きながらも「念願の屋久島にやっと来れました。」と笑顔で応える。
続けて「この辺で買い物できるところ、知りませんか?」と尋ねると、徒歩1分の観光案内所を紹介された。
不思議なお婆ちゃんにお礼を言って、案内所へ向かう。

観光案内所で話を聞くと、安房地区に登山用品を置いてある「アンデス」という店があるらしい。

ついでにお店や民宿が集中する「安房地区・宮之浦地区」の簡易マップとバスの時刻表のコピーを貰い、山中で使用する「携帯トイレ」を2セット購入。


自然に優しく!そして安心をお金で買うのだ!「縦走中、お腹を壊しトイレを我慢するのが大変だった。。」なんて思い出は欲しくないっ!!笑

バス停へ戻ると、どこへ行ったのか、あの不思議なお婆ちゃんの姿は無かった。

10時23分、
安房方面行きのバスへ乗り込む。

「合庁前」で降りて登山用品ショップ「アンデス」へ歩く。日差しが強く、少し汗ばむ。


店内には綺麗な女性店員さんと常連さんらしき男性がカウンターに腰掛け話していた。僕は店内を物色してガスカートリッジとポケットティッシュペーパー、そして念の為の5mmロープを8mほど購入。品揃えが豊富でギア好きな僕としてはもっとゆっくり見たかった!

※今回は飛行機でガスカートリッジが持ち込めなかった為、現地で購入する必要がありました。


そのまま安房へ。歩道にヤクザルを見つけて微笑む。

平和な街並みが続く中、突如現れる現代食「モスバーガー」

「山に入る前に食べておけ」とでも言わんばかりに『M』の文字が誘う。

次のバスの時間もまだ先。モスバーガーで涼を取る事に。

面白いと思ったのが、このモスバーガーは店内の半分がお土産品店になっている!地酒がズラリ!

噂に聞く『三岳(みたけ)』をぜひ飲んでみたかったが、まさかのレジ担当が居ないとの事で購入できず。残念。。

「安房港近くのコープでも売ってるよ」と言われ、行く事にする。
コレを飲みたいと思ったら探してでも飲む。こういう寄り道も旅の醍醐味なのだ。

そこから15分程歩いただろうか。小さなパチンコ店を過ぎ、安房港が見えてきた。
が、Aコープの文字は無く『ショッピングセンター ばんちゃん 』という看板を見つける。

周りを見渡すも他に店は無い、きっとこの店の事を言っていたのだろう。

無事、『三岳』を手に入れた。汗をかき、喉が渇いたのでエビスビールも購入、歩きながら飲む。キンキンに冷えていて美味い。

港の景色を眺めながらゆっくり歩く。気が付けば「合庁前」のバス停へ到着。

紀元杉行きはこのバス停が始発になる。
終着地点から先は歩いて登山口まで、という計画。いよいよ山へ向かうのだ。


バスの発車時刻まであと少し。
運転手さんが気を遣ってくれたのか、乗車して待っていて良いと言ってくれた。優しい気遣いに感謝。

その後結局、発車時刻になっても、乗車する人は無く、バスには僕一人。発車しますとの声がガランとした車内に響き、バスはゆっくり動き始めた。

先程歩いた安房港へとバスは向かう。
そこで1人乗車。僕のよりもだいぶ大きな赤いザックを背負っている。登山なんてしそうもない、大人しそうな雰囲気の青年。20代といったところか。

すれ違いざま、お互いに軽く会釈を交わし彼は後方の席へ座り、そしてまたバスは走り出した。

その後バスは止まる事なく山へと続く道路を走り続けた。目の前に迫る山々の姿とは対照的に安房の町が少しずつ小さくなっていくのが少し寂しく感じた。

心地良い振動とクーラーの効いた涼しい車内で僕はいつの間にか寝てしまっていた。


~ 続く ~


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Posted by - テツ - at 00:54Comments(0)雑記・日記

2014年10月15日

2. 出発 〜屋久島一人旅 2014〜

10月1日、出発当日の朝。

いつもと同じ朝。いつもと同じ様にトーストを焼いて食べる。

昨日まで抱えていた一人旅への不安は深い眠りから目覚めるとスッキリと消えて無くなっていた。

家族は「気を付けてね〜」と、まるで僕が近くのコンビニへ買い物に行くかの様な、軽い見送りの言葉をくれただけだった。

いつものように仕事をこなし、18時には仕事を終えて18時半には那覇空港へと向かう予定。

しかし終業間際、まさかの業務依頼で残業が確定。

仕事を残して落ち着かない気持ちで旅行へ行っても楽しめないだろうと考え、集中して黙々とこなす。

人間やればできるもんである。

いつもの半分くらいの時間でサクッと業務終了、しかしすでに飛行機が離陸する1時間前!!

僕の事を見かねた会社の人が送ってくれると言う事で急いでザックを持ち、車に乗り込み空港へ。

比較的スムーズに流れる夕暮れ時の幹線道路、赤信号で停止するたびにもどかしくて強く瞼を閉じる。

出発40分前に空港へ到着。送ってくれた人に礼を言い、カウンターへ足早に向かう。

平日の夜の那覇空港出発ロビーはサラリーマンや見送りの人がまばらにいるだけで、それほどの混雑はなかった。もちろん、大きなザックを担いでウロウロしている旅行者は僕一人ぐらいだった。

急いで搭乗手続きを済ませ、荷物を預ける。

大きなザックを下ろすと身体が以前よりも軽く感じる。両手を挙げて大きな伸びを一つ。

受付カウンターの計量器を見るとザックの重量は「12.4kg」を示している。予定通りの重量だ。

足早に保安検査場を通り抜け搭乗口へ向かうと出発の約25分前。



ここまで来れば大丈夫、と一安心。張り詰めていた気が抜けるとお腹が空いている自分に気付く。搭乗口近くのショップへ駆け込み食べる物を探すも、ほぼ売り切れ状態。

陳列棚を見て呆然としていると、近くに居た陽気なオバちゃんが「こんなに食べれないわ。良かったらどうぞ〜」と精算前のおにぎりを2つ分けてくれた。

笑顔でお礼を言い、そのおにぎりとお茶を買い、飛行機へ乗り込んだ。

150名は乗れるであろう座席数に対して搭乗客は約40名程度。ほぼ全員が前方・窓側に座り、僕もその集団の後方窓側へと席を変更してもらい、席に着いた。

ひどく疲れている。
これからが旅の始まりだと言うのに、離陸するなりすぐに寝入ってしまったようだった。

大きく身体が揺れて目が覚めると、タイミング良く機内アナウンスが流れる。
「鹿児島空港へ着陸しました…」

20時55分、鹿児島空港へ到着。

少し寝てスッキリした気分で飛行機をゆっくりと降りる。



『Welcome to Kagoshima』の文字を見て鹿児島に歓迎されている、と思い込む。笑
相変わらずのプラス思考は僕を良い方向へと導いてくれる。

手荷物受取所でザックを受け取り、気合を入れて背負う。

慣れない重さで足がふらつく。
この荷物を背負って、本当に縦走できるんだろうか。




今日の旅はもう少しで終了、と自分に言い聞かせ、空港から徒歩7分ぐらいの『鹿児島空港ホテル』へ歩みを進める。

沖縄に比べて、鹿児島は少し肌寒い。
雨でも降ったのか、湿度が高く、少し靄がかかっている様な視界だった。

21時15分、鹿児島空港ホテルへ到着。
チェックインを済ませ、部屋に入る。
当たり障りの無い無難なホテル、といったところか。

しかし空港へのアクセスは抜群に良い。またこのホテルを利用する事もあるかもしれない。



窓から見える夜の空港を眺めながら、離陸前に買ったおにぎりを頬張る。

お腹が少し満たされたところで、無事にホテルへ着いた事を家族へ電話報告。

一段落したところでホテル内に23時まで使用できる大浴場があるとの事でさっそく湯船に癒される事にした。

脱衣所に置かれた服を見る限り、大浴場は僕を含めて3人の利用者がいたが、奥のサウナ室に擦りガラス越しに人影が見えるだけで、誰一人として声も聞こえないし、結露や湯気で顔もよく見えない。本当にそこに人が存在しているのかさえも自信がなくなってきた。

ひょっとして今、僕は飛行機で寝たままで、まだ夢を見続けているんじゃないか、とバカみたいな不安に駆られる。


念入りに脚をもみ洗いして流し、湯船に浸かる。最高のひとときだ。今ここにキンキンに冷えたビールでもあれば何も言う事はないんだけれども。

僕が後から入って一番先に浴場を出る。
誰とも話す事無く、また部屋へ戻る。

寝る前の一杯のビールを自動販売機で買ってから部屋でまったり。

ザックの重量バランスが少し気になって、中身の整理をしようと部屋中に持ち物を「広げては詰める」を二度ほど繰り返して準備完了!!

今日一日を振り返って、色々な人に助けてもらったりしながら鹿児島へ辿り着いた事に感謝する。

空港へと送って貰えなかったら、飛行機に間に合わなかったかもしれない。

あのおにぎりを譲って貰えなかったら、今夜は空腹のまま寝る事になったかもしれない。

そんな一つ一つの出来事に感謝しながら、明日に備えて0時に就寝。

ついに明日は屋久島へ上陸だ。
楽しみ!!


~ 続く ~


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Posted by - テツ - at 00:20Comments(0)雑記・日記

2014年10月13日

1. はじまり 〜屋久島一人旅 2014〜

ハッキリとした理由があった訳では無い。何かに取り憑かれたかの様に「屋久島へ行かなければならない。」と思い続けて数年。「なぜ屋久島に行きたいの?」と人に問われても僕自身が分からないから答えようがないのだ。

屋久島に行けばその答えが見つかるかもしれないし、「結局僕の思い込みだった」と何も見つけられないかもしれない。長年に渡り屋久島へ導かれる想いの答えを見つけようと、やっとその一歩を踏み出す事にした。

実は出発の数日前まで、
数名の友人達にも「一緒に行かないか?」と声を掛けたが、まとまった休みが取れない事や縦走への不安等で結局一人で旅する事となった。(後になって一人旅で良かった、と思う事が多かった)


予定では10月1日〜10月5日の4泊5日。1日は夕方ギリギリまで仕事をして、飛行機に乗って鹿児島で前泊。翌日の朝一便で屋久島へ渡り、2〜4日は宮之浦岳をテント泊・縦走。下山した4日の夜は「やくしま森祭り」へ参加、その後近くのキャンプ場でテント泊。5日はレンタルバイクで平内海中温泉へ行ってからお昼過ぎには飛行機で鹿児島〜那覇へ。そんな風にシンプルな計画だった。


初めての登山でしかも縦走。
多少の不安はあるが、根拠の無い自信があった。B型の楽観的な性格が「大丈夫、僕は出来る」と。

荷物は最低限、目標は全重量13kg以下。
水場が結構ある様なので、水分はその都度補給するとして、行動食・非常食は少し余分に持つ事にした。




パッキングもネットで調べ、重い物をザックの中心に。レインウェアやヘッドライト等はすぐ取り出し易い様に上部へ。行動中、使用する事がないシュラフやテント類は下部へ詰め込む。



ジップロックに予備の行動食を詰め込む。

水分と行動食の補給用にとそれぞれ0.5Lのナルゲンボトルを胸に下げる。防水デジカメも同じ様に胸に下げる。

貴重品やティッシュ、メモ帳・ペン等を入れたサブバッグはお腹の辺りに下げる。

イメージを固めようと考え続けても、何か足りないかも…と不安でしょうがなかった。


そうそう!忘れてはならないのが、
念の為・万が一の「遭難保険」。
これはモンベルの「野あそび保険(¥250〜)」ってヤツを申し込んだ。

きっと、これで大丈夫。
どうにかなる!

自分にそう言い聞かせる様にザックを閉じて出発の日を迎えた。


続く…


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Posted by - テツ - at 02:28Comments(5)雑記・日記